- 貯金だけではインフレで相対的に資産が減る
- 投資は破産のリスクがあるギャンブルではない
- 優良投資信託で長期で積立投資をしよう
皆さんは貯金していますか?
将来のために今から貯金をすることは素晴らしいことです。私も毎月貯金をしています。
しかし、貯金だけでは資産を守ることができません。その理由を解説していきます。
物価は年間2%ずつ上昇する
日本政府は物価の上昇率2%を目標にして、経済の舵取りを行なっています。
「景気を良くして、100円の物が1年後に102円になるように頑張ろう!」という感じです。
数年前は自動販売機の500mL飲料は150円でしたが、現在自動販売機の500mL飲料は160円以上になっていますよね。
単に景気が良くなっただけではありませんが、物価は経済の成長とともに上昇していくはずです。
日本の物価と賃金は?
「物価が上昇し続けたら困るよ!」という声も聞こえてきそうですが、安心してください。
普通は、物価の上昇と賃金の上昇はセットになるので、物価が2%上昇したとき給料も2%上昇するはずです。
…。残念ながら、現代の日本では普通ではないことが起こっているようです。
日本の経済は「失われた30年」とやらに陥っており、経済成長が横ばいで賃金は上昇していません。しかし、海外情勢に煽られて物価は上昇しています。
この状況で老後の準備や生活を豊かにする資金を確保するためには、資産を増やすことが重要です。
預金の金利は1%未満
銀行にお金を預けると、利息としてお金が増えます。
銀行の金利は0.001%程度で、引き出しが困難な定期預金でも1%を超えることはないでしょう。
普通預金の利息だけで年収400万円を実現するためには、4000億円の預金が必要です。まぁ無理です。
預金だけでは資産が減る!?
本章で伝えたいことは、「物価は2%上昇するのに、預金で増える資産は1%未満」ということです。
これでは物価の上昇に資産の増加が追いつきません。つまり、相対的に資産が減っていることになります。
これが貯金のみで資産を積み上げるリスクです。
投資のリターンは3~5%
将来のことを考えて長期的に資産を増やすのであれば、投資が望ましいです。
資産が減るリスクは付きますが、過去の推移から考えると長期で見れば年率平均3~5%程度で増加していきます。
この増加率であれば、物価の上昇より資産の増加スピードの方が速いので資産を守ることができます。
項目 | 物価 | 貯金 | 投資 |
---|---|---|---|
平均上昇率 | 2% | ||
1年後の 100万円の価値 | 102万円 | ||
物価上昇に 対する価値 | ー | ||
リスク | ー |
資産を”円”で保有するリスク
もし、「貯金は全てドル建ての外貨預金にしている」という友人がいたら、「この人は正気か!?」と思いませんか?
その言葉は自分自身にも返ってきます。
私たち多くの日本人は、資産を全て”円”に投資している状態です。
2023年現在の円安下において、円はドルに比べて相当価値が減っています。
実は相当な為替リスクを負っていることに自覚を持ち、資産を守る知識を身につけていきましょう。
さらに、そもそも「貯金は絶対に安全」ではありません。銀行が破綻すれば補填されるのは1000万円までで、日本が破綻すれば円の価値が無くなります。
投資と聞くと、危ないもののように感じる方は多いのではないでしょうか。
私も昔は、資産とは貯金で堅実に増やしていくものだと思っていました。
投資は、やりようによってはギャンブルにも資産運用にもなるということを理解することが大切です。
知識をつけて長期投資を心がけていくことが、投資をギャンブルにしない方法になります。
ギャンブル的な「投機」
投資とは複数のモニターを凝視して株を売買をすることだと思っていませんか?
その取引は主にデイトレードと呼ばれる手法で、株式の短期売買で利益を得ることを目的としています。
利益は必ず出せるわけではなく、儲ける時もあれば、損失を出す時もあります。
このように単に金儲けをしようとすると、投資ではなく投機と言われます。個人でやるのはギャンブルです。
働いていて仕事がある人は、このようなトレードはやめましょう。
堅実な「投資」
本記事で取り上げる投資とは、株や投資信託を買って持ち続けることを指します。
投資先を慎重に選び、一度投資を始めたら売却しない。もしくは買い続けることが、安定した資産形成へとつながります。
金儲けではなく、今持っている資産を少しずつ増やしていくようなイメージです。
値下がりに怯えず、長期で株や投資信託を保有し続けましょう。
株価が下がって慌てて売却することは前項で取り上げた投機的な取引となってしまうので、注意が必要です。
- 投資先を分散させる
- 長期で投資を続ける
- 資金を入れ続ける
投資先を分散させる
個別の株に集中して投資すると、その企業の株価次第で資産が大きく変動してしまいます。
資産が倍に増えることもあれば、半値以下になってしまう可能性もあります。
このような投資方法はリスクが大きいので推奨されません。
「卵は一つのカゴに入れるな」
投資の世界で有名な言葉に「卵は一つのカゴに入れるな」というものがあります。
卵を一つのカゴに入れているとカゴを落としてしまった時に全ての卵が割れてしまいますが、複数のカゴに分けて入れておけば、カゴを落としてしまっても他のカゴに入っている卵は無事です。
複数の投資先に分散して投資をすることで、投資先に万が一の事態が起こっても他の資産は無事ということの例です。
投資先を分散させることが資産を守る投資方法です。
長期で投資を続ける
投資未経験者は、「株は安い時に買い、高い時に売る」ものだと思っています。
確かに、それを狙って資産を増やしていくことに間違いはありませんが、安い時に買うのはとても難しいことです。
株価が下がって買い時だと思ったら、そこからさらに下落が続くということも珍しい話ではありません。
投資を始めたら、短期の下落に動じずにずっと保有を続けることが安全に資産を増やす方法です。
資金を入れ続ける
最後に、投資をするための余裕資金を毎月準備して、毎月投資用口座に入金し続けてください。
株価が下がったら投資が怖くなって入金をやめたり、株価が上がって利益が出たらすぐに売ってしまったりしないようにして、投資を続けて資金を投入し続けることが比較安全に資産運用する手段です。
この方法は『ドルコスト平均法』と呼ばれ、長期投資における鉄則です。
『敗者のゲーム』などのあらゆる投資関係の本に記述があり、長期で投資をする際にはぜひ理解しておきましょう。
結論:投資で資産を守るには
資産を守る3つの投資方法と銘打っていますが、やることは1つだけです。
『優良投資信託を積み立てる』これに限ります。
投資信託とは株の詰め合わせのようなもので、これ1つで分散投資が成立します。
さらに積み立ての設定をすれば、それだけで長期で入金を続けるという残り2つの投資方法をクリアできます。
投資の知識が少ない方は、この記事を読んだ上で全世界か全米の投資信託を選ぶことをお勧めします。
毎月入金する余剰金を確保するにはこちらを参考にしてください↓
- 預金は物価上昇に勝てないので、相対的に資産が減る
- 「貯金だけ」は、資産を全て低利回りの円に投資している状態
- 投資はギャンブルではない
- 3つの分散を守り、投資信託を積み立てよう
投資で目指すべきは、年利数%での運用です。決して難しいことではありません。個別株を短期で売買するトレーダーのようなことをしなければ、誰だって利益を得ることができます。
まずは、「投資=危険」という先入観を取り払い、貯金だけでは資産形成に不十分と感じていただければ幸いです。
投資は早く始めればそれだけで恩恵を受けることができます。今すぐにでも始めていきましょう。
ありがとうございました。