優待株をNISAで買うと損をする3つの理由【株主優待】

優待株はNISAで買うの?

この記事はこんな方におすすめ
  • 株主優待に興味がある
  • NISAで投資を始めようと考えている
生徒
生徒

株主優待に興味があるからNISAで優待株を買おうかな

アルパカ
アルパカ

NISAの枠で優待株を買うのはもったいないよ!

はじめに

株主優待に興味がある方。そしてこれから資産運用を始める方。

新NISAで優待株を買おう」と考えていないですか?

NISAを活用するという観点で見ると、損をしてしまうかもしれません

本記事ではその理由を解説します。

優待株と株主優待

まずは株主優待について簡単に触れていきましょう。

株式を所有することで、企業から記念品をもらえることがあります。これを株主優待といい、企業の商品をはじめカタログギフト、クオカードなど営業に関係のないのもまで様々な優待があります。

株主優待の還元率は株価に対して0.5〜2%程度が一般的です。

全ての企業が実施しているわけではなく、新設されたり廃止されたり必ずもらえると断定できるものでもありません。

株主優待は何のためにあるの?

株主優待が存在する理由は個人投資家を増やしたいからです。

株式を上場させるためのハードルとして株式の流通量や投資家の数などの基準があり、その基準を満たすために優待を設けて個人投資家を増やしています。

あとは純粋に投資家への還元として設定しているのも理由になります。

株主優待は日本独自の制度

株主優待という制度は外国では珍しく日本特有の還元方法です。

海外の大口にとってはメリットがないため、投資家への平等性を保つために優待制度を廃止する企業も少なくありません。

過去に優待株として有名だったオリックスや日本取引所も優待廃止を決定しました。代わりに配当金を引き上げる方針で株主に還元をしています。

アルパカ
アルパカ

私の保有していた優待株もいくつか優待廃止されちゃった…

株主優待とは

日本独自の株主への還元方法で還元率は0.5〜2%程度。廃止されることもあるので注意が必要。

NISAの優遇措置

新NISAについて制度をざっくりと確認すると、1800万円まで株や投資信託を非課税で運用できる口座です。

通常の口座(特定口座)では20%の税金がかかってしまうので、これが非課税というのはかなりお得です。

優待株を買えるのは成長投資枠

NISAは生涯で1800万円まで非課税で運用できますが、積み立て投資枠では個別の株を買うことができないので成長投資枠の最大1200万円が優待株を買うことができる枠になります。

この1200万円の成長投資枠を使用して優待株を購入することはお得なのでしょうか。

そもそもNISAの「非課税」とは?

売買利益が非課税

通常、株式取引をすると利益に税金がかかります。勘違いしやすいことですが「利益のみ」に課税されます。

100万円で購入した株が値上がりして120万円で売却したとき、20万円の利益が生じます。通常はこの利益20万円に20%の税率がかかり4万円が課税されます。

つまり20万円の利益が出ても税引後手元に残るのは16万円です。

しかしNISAの口座で同じように取引をした場合、20万円の利益が非課税でそのまま手元に来ます。

配当金が非課税

超重要ですが意外と話題にならないのが配当金も非課税であることです。

1株30円の配当金が出る株を100株持っていたとすると3000円の配当金が入金されますが、この配当金にも20%の税が課されます。

つまり3000円の配当金に20%の税率がかかり実際に入金されるのは2400円になります。

しかしNISAでは配当金も課税されないので3000円が丸々入金されます。

生徒
生徒

NISAでは全ての利益がそのままもらえるんだね!

NISAの優遇措置とは

売買利益と配当金が非課税の口座。個別株は最大1200万円まで買える枠がある。

NISAで優待株を買わない方がいい理由

さて、NISAのメリットを紹介していきましたが、結局利益が非課税というのがNISAの全てです。

いい事ずくめのNISAですが実は優待株とは相性が悪く、NISAの枠で優待株を買うことはおすすめしません。

その理由を3つ確認していきましょう。

優待品は元々非課税

株主優待は株を保有していることで記念品がもらえるサービスです。

この優待品はあくまで物品なので税金がかかりません。クオカードのような商品券でも非課税です。

『優待の1000円のクオカードが20%課税されて800円になる』なんてことはありません。

NISAで優待株を買わない理由1

優待品には元々税金がかからないから非課税の口座で買う必要はない

優待株は配当金が少ない

優待株とは言っても配当金が出ないわけではありません。

配当方針によりますが『優待+配当』で株主還元をする企業がほとんどです。

配当が出るなら非課税の口座のメリットが受けられますね。

しかし、株主優待を実施している企業の多くは優待と配当を合わせて現実的な還元をしています。例えば利回り4%は高配当と言える配分だと思いますが、優待株の場合は優待と配当合わせて4%で高還元率になります。

優待株A優待株B高配当株C
配当利回り1%2%4%
優待利回り3%2%0%
総合利回り4%4%4%
総合利回り4%の株の例

高配当+優待というのは非常にレアなケース、もしくは株価が短期で下落して利回りが一時的に上昇しているだけのことが多いです。

優待株であっても利回りは4%で十分高還元であり、その場合当然配当は4%未満となります。

アルパカ
アルパカ

配当の割合が少なければNISAで非課税にするメリットが少ないよね。

つまり、配当金が少ない優待株をNISAで購入することは、配当金非課税の恩恵を十分に受けられないことになります。

NISAで優待株を買わない理由2

優待株は配当+優待品で還元するので、高配当株より配当の割合が少ない→配当金非課税のメリットが少ない

株価の大幅成長を見込むものではない

株主優待を実施する企業とはどのような企業が多いでしょうか?

目先の投資家増やし目的のクオカード優待は別として、その多くはある程度成長して自社の製品や関連商品を提供することができる力を持った企業です。

つまり十分に成長した企業が多いです。

そのような企業が目指すことは5倍10倍に急成長することではなく、年に数%ずつ成長し続けることだと思います。

優待株に投資する個人投資家は当然株価が上がることを見越して購入しますが、株価が変わらなくてもずっと持ち続けて優待と配当をもらい続ける人も多くいます(個人差はあります)

アルパカ
アルパカ

優待廃止さえなければ株価は多少下がっても構わんよ。

NISAで優待株を買わない理由3

優待株は株価の変動が他より小さく、売買益が非課税のメリットを受けづらい

NISAで優待株を買う人は

ここまでNISAで優待株を買わない方がいい理由をまとめてきましたが、『NISAと優待株は相性が悪いのでオススメはしない』程度に受け取ってください。

NISAで優待株を買うことは間違っていることではありませんし、それを否定することもありません。

では、NISAで優待株を買う場合はどのように運用していくのがいいのでしょうか。

高配当+優待の株を長期保有

優待株は配当が少ない傾向があるという話をしましたが、高配当+優待の安定銘柄も存在します。

代表的な銘柄は通信大手の『KDDI』です。

KDDI(9433)
  • 株価4490円(2023年12月時点)
  • 配当140円
  • 配当利回り3.12%
  • 優待で3000円相当のカタログギフト(100株)
  • 総合利回り3.78%

優待銘柄でも高配当の株はNISAで配当を非課税にするメリットが十分にあります。

値上がりも同時に期待する

優待をもらいながら株価が上昇していくことをじっくり待つ投資スタイルもあります。

数年かけて株価が数倍になることを期待して長期で保有する場合は、やはりNISA口座で買う方がいいでしょう。

売却益を非課税で受け取るためにはNISAであることが重要になります。

生涯投資枠で十分

そもそもNISAの成長投資枠は1200万円もあります。平均的な家計であればこの枠を使い切るほど投資はしないかもしれません。投資額が1200万円を超えない場合は口座はNISA一択でいいでしょう。

NISAで買わない方がいい条件が当てはまるのは、1200万円以上を積み立て以外で運用するビジョンのある方に限られます。

資産を運用する口座の使い分け
  • 非課税の恩恵が大きい値上がり・高配当株はNISA
  • 非課税の恩恵が少ない優待株は特定口座

このような方針で運用していくことがNISAを効率的に活用する策になるのではと思います。

アルパカ
アルパカ

私の運用方針がこれです

まとめ

優待目的の長期保有とNISAの非課税枠は相性が悪いというのが私の結論です。

NISAで優待株を買うべきではない理由
  • 優待品には元々税金がかからない
  • 配当金が少ない
  • 株価の上昇が見込みにくい

目的に合わせた運用と口座の使い方を選ぶのがいいですね。

本記事ではNISAの成長投資枠の活用方法について述べていきましたが、積み立て投資枠の活用についてはこちらを参考にしてください。

ありがとうございました。